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巨大な湖の畔に、その館は聳え立っていた。 屋根も外壁も真っ赤に塗りたくられた、悪魔の館―――人はそれを<紅魔館>と呼び、畏れた。 その一室では、悪魔達による饗宴(サバト)が繰り広げられていた――― 「セイヤァッ!」 中国風の衣装を纏い、長い赤髪を振り乱し拳を振るう女性。 まるで舞い踊るように美しい体捌きだ。 更に体内で練り上げた<気>をその拳に込め、可憐な両腕を鉄槌と化す。 「―――烈虹真拳!」 彼女は紅魔館の門番にして拳法の達人<華人小娘>紅美鈴(ホン・メイリン)。 人の身では決して到達できない境地に至ったその絶技を指先一つで受け止めたのは、大吸血鬼レミリア。 「くっ…」 「まだまだね。こんなんじゃ準備運動にもならないわ」 「も…申し訳ありません」 「なら、これはどうかしら?」 背後からの声。 「火符―――アグニシャイン!」 襲い掛かる無数の火球。 「続けて木符―――シルフィホルン!」 そして鋼すら切り裂く鎌鼬が群れを成して迫り来る。 それを放ったのは、ゆったりしたローブに身を包んだ病弱そうな少女。紅魔館の地下に存在する大図書館の管理人 にして、レミリアの数少ない友人でもある<動かない大図書館>パチュリー・ノーレッジ。 レミリアは軽く腕を振るい、魔力の風を起こす。たったそれだけの動作で、彼女は大魔術を相殺した。 「ふん、相変わらずビタミンAが足りてないわね」 「あらま…私としては、本気で殺すつもりだったんだけどね」 「甘いわよ、パチェ。灰も残さないつもりで来なさい」 「では、お言葉に甘えて―――咲夜の世界」 ―――ありのまま起こった事を記そう。 気が付けばレミリアの周囲を、優に百を超える銀のナイフが取り囲んでいた。 それは催眠術や超スピードなどというチャチなものでは断じてない。 ナイフを放った張本人である<完全で瀟洒な従者>十六夜咲夜(いざよい・さくや)の恐るべき能力の片鱗だ。 「―――殺人ドール!」 そして全てのナイフが一斉にレミリア目掛けて飛びかかり―――瞬きの間に全て叩き落とされた。 「いいタイミングだったけど、残念ね。そんなナイフじゃ林檎にも刺さらないわよ」 「ふふ…カリスマ溢れるお嬢様も…凛々しいですわぁ~~~~~っ!」 ブブーっと鼻血を噴き出す咲夜さん。結局お嬢様であれば何でもいいらしい。 「でも、お嬢様は急にどうなされたんでしょう?修行なんてらしくもない」 「例のトーナメントがあるからでしょ」 美鈴の疑問に、パチュリーが答えた。 「それでもレミィのガラじゃないとは思うけどね」 「何とでも言いなさい。私はどうしても欲しいのよ、あの方の…賢者イヴの秘宝が」 「へー。でも、それだけじゃなさそうね。誰か、ブチのめしてやりたい相手がいるんじゃなくて?」 「…フン。分かったような口を利かないで」 鼻を鳴らしつつ、レミリアは親指を噛む。 思い出されるのは、屈辱の記憶だ。 「今のままじゃ、サンレッドには勝てないわ…」 あの夜の闘いは、お互いに全力ではなかった。 とはいえ、どちらがより余裕を残していたかといえば、サンレッドの方だろう。 まだ奴は、真の力を見せてはいない。その確信があった。 「外の世界のヒーロー…そんなに強かったのですか?」 「…かなりね。それだけは認めざるをえない。だからこうして、鍛え直してるのよ」 「お嬢様にそこまで言わせるとは…武に生きる者として、是非とも手合わせを望みたいものです」 「やめときなさい、美鈴。貴女じゃ一撃でやられるのがオチよ」 「酷っ!せっかく武人キャラらしく振る舞ったのに!」 「やかましいわ、居眠り門番」 抗議の声を無視して、舌打ちする。 「とはいえ…三人がかりでもこれじゃ、身体も温まらないわね」 「じゃあ、あたしが相手したげよっか?お・ね・え・さ・ま♪」 部屋の壁が、砕け散った。 予備動作もクソもない、それは完全なまでの破壊にして、破滅だった。 究極の破壊を体現してみせたのは、砕けた壁から悠然と部屋に侵入(はい)ってきた幼い少女――― 年の頃はレミリアとそう変わりなく見える。 ブロンドの髪を靡かせたその姿は、よく出来た人形のようだ。 背中にはまるで枯れ木の枝を思わせる不気味な翼。 <悪魔の妹>フランドール・スカーレット。 レミリアの実妹であり、彼女と同等の実力を持つ強大な吸血鬼である。 「い…妹様…!」 咲夜が顔を引き攣らせ、後ずさる。美鈴とパチュリーも同様だ。 「あらぁ?そんなに怖がらなくてもいいじゃない。あたしだって紅魔館のお嬢様なのにぃ。プンプン」 両手の人差し指を立てて、頭にツノを作ってみせる。 可愛らしい仕草だが、咲夜達にとっては猛獣が牙を剥いたようにしか見えない。 レミリアも恐るべき吸血鬼だが、少なくとも力と凶暴性を自制する術は知っている。 知っているというだけだが、ともかく知っている。 だがフランドールは、それを知ろうとすらしない。 何一つ分からぬまま、無邪気な幼子の心のまま、絶大な力を何の遠慮も忌憚もなく振るうのだ。 姉であるレミリアですらそんな妹を持て余し、館の一室に幽閉せざるをえなかった。 そんな事をしても無駄だと知りながら。 フランドールがその気なら、今こうしているように、平然と出てこれるのだから――― だが。 今のレミリアにとっては、彼女が出てきてくれたのは好都合だった。 「いいでしょう、フラン」 レミリア・スカーレットが変質する。 これまではどれだけ派手に闘おうとも、幼い少女としての一面は常にあった。 だが今の彼女を見て、そんな印象を抱く者など皆無だろう。 そこにいるのは傲慢にして偉大な月下の女帝―――レミリア・スカーレット! 「久しぶりに、姉妹水入らずで遊びましょうか」 「うふふ、嬉しいなぁ。楽しいなぁ。お姉様と殺し合いごっこだぁ!」 ―――二対の悪魔の死闘は、一昼夜に及び続いた。 その光景を見ていた紅魔館の面子は揃って口を閉ざし、ただ恐怖だけを顔面に張り付けていたという。 <永遠に紅い幼き月>レミリア・スカーレット。 彼女は幻想郷最大トーナメント準決勝において再びサンレッドと相対し、雌雄を決する事となる。 所変わって、白玉楼。 ―――今にも雨が降りそうな曇天だった。 暗い空の下、白玉楼の庭園で二人の剣士が睨み合う。 <半人半霊>魂魄妖夢。 <銀刀>望月ジロー。 妖夢が手にするのは<楼観剣>と銘打たれた長刀。 妖怪の刀匠によりて鍛え上げられた妖刀。 ジローが手にするのは刀身に銀がコーティングされた無骨な日本刀。 数多の同族の血を吸い、彼の二つ名の由来となった銀刀。 二人は既に半刻に渡って、僅かな身じろぎすらせずに向い合っていた。 互いに正眼に構えた剣もまた、時が止まったように動かない。 はらり、と彼等の間に木の葉が落ちる――― 「参るっ!」 それを合図として、先に動いたのは妖夢だった。一歩で間合いを詰め、一呼吸で九の斬撃を繰り出す。 だがそこに、ジローの姿は既にない。彼は高く跳躍して妖夢の剣をかわし、頭上から銀刀を振り下ろす。 妖夢もそれを読んでいた。素早いバックステップで距離を取り、ジローの剣が空を斬る。 両者が態勢を整えたのは完全に同時。 横薙ぎの一撃を繰り出したのも同時。 キィン―――澄んだ音を響かせて、互いの得物が弾かれて宙を舞い、地に突き立った。 「…ふう。中々どうして、相当の使い手じゃないですか」 楼観剣を地から引き抜き、鞘に収めて、一気に噴き出した汗を拭いながら妖夢はジローを称える。 「おかげでいい鍛錬になりました。ありがとうございます」 「こちらこそ」 ジローも帽子を取り、頭を下げた。 「よき剣士に出会えました。剣に生きる者の端くれとして、喜ばしい限りです」 「もう。そんなにおだててもパンツはあげませんからね!」 「いらん!」 「またまた。<パンツ>と聞いた瞬間、その無愛想な顔がちょっと綻んだのを確かに見ましたよ」 「バ…バカな!私はそのようなハレンチな男では…!」 「ああ、ごめんなさい幽々子様。妖夢はこのゲス男によって汚されてしまいました…」 「違ぁぁぁぁぁうっ!それでも私はやってないっ!」 「ま、冗談はともかく」 妖夢は背筋を伸ばし、ジローを見つめる。 「あなた、本当にトーナメントに出場するつもりですか?」 「…言いたい事は分かります。とても優勝できる腕ではないと言いたいのでしょう?」 「はい。ぶっちゃけるとそうです」 竹を割ったような率直な言葉だ。ジローは思わず苦笑してしまう。 「私と互角の腕を持つからには、実力的には幻想郷でも上中下のうち、上には分類されるでしょう―――けれども 上の上に位置する連中。例えば八雲紫様―――例えばレミリア・スカーレット。そういう相手と闘ったら、間違いなく あなたは負けます」 「でしょうね。そのくらいは分かります」 自嘲するでもなく、軽く答えるジロー。妖夢はそれに構わず続ける。 「無様な敗北。それだけならまだいい。命があればやり直せる―――所詮はお祭り騒ぎのようなものですからね。 命まで奪い合うような闘いにはならないでしょう。死ぬ前に降参すればいいだけです」 けれど。妖夢は続ける。 「あなたの気の入れようから見ると、負けを認めるようには思えません。殺されると分かった上で、それでも突き 進んでしまうんじゃなかろうかと」 「おや、心配してくれてるんですか?可愛い女の子の胸を痛めさせてしまうとは、我ながら罪深い」 「あなたの心配なんかしちゃいません。勝手にやってればいいでしょう」 皮肉な物言いのジローに対し、妖夢はいつになく真摯に語る。 「私が心配してるのは、あなたが死んだら悲しむ人がいるんじゃないか、という事です」 「…………!」 脳裏に浮かぶのは、弟の―――コタロウの笑顔。 その隣には、アヒル口の少女。 親しい何人かの友人。その中にはサンレッドやヴァンプ将軍の姿もあった。 「<賢者イヴ>というのがあなたにとってどれだけ大切な存在かは想像に難くありません。その遺産とやらに執着 するのも、仕方ないとは思います―――でも、死んだら何にもならないでしょう」 「…死ぬ気なんてありませんよ」 ジローは皮肉っぽく、笑って答えた。 「私にはまだ<使命>が残っていますから。それを果たすまでは、死んではならないんです」 「ふーん…何か、それを果たした瞬間に死んじゃいそうですね」 「そうですね…否定はしません」 「してくださいよ。そんな言い方だと不安になるじゃないですか」 「お?やはり心配してくれているのですね。おお、ありがたやありがたや」 「ケッ!調子乗ってんじゃねーですよ、百年しか生きてねーガキが!」 「…………参考までに、妖夢さんはどのくらいの歳なのですか?」 「えっと…多分あなたの三倍くらいは生きてますかね」 大先輩だった。 「申し訳ありません。お年寄りの方に大変失礼をしました。バスではシルバーシートを譲りましょう」 「あらまあ、いいんですよ。それより私の年金のために馬車馬のように働いてくださいね、ガキンチョ」 「いやあ、実を言うと私は国に金なんて納めてないんですよ、吸血鬼ですから」 「おっと、これは失礼。あなたは女性の世話になってるから、確定申告の必要がないんですね?<何か縛るモノ> なんですね?」 「ははは。これは手厳しい。あんまり嫌味ばかりだと、口元の小皺が増えますよ?」 「うふふ。そんな事を言ってると、寝てる間に心臓に杭が刺さってても知りませんよ?」 仲がいいんだか悪いんだかよく分からん不毛な会話は、その後一時間近くも続いたという。 ―――その頃、厨房にて。ヴァンプ様は夕飯の支度を始めていた。 「さて、ジローさんは妖夢ちゃんの相手をしてるし、レッドさんとコタロウくんも幽々子さんに頼まれて買い物に行ってる 事だし、私も働かないとね!」 割烹着を見事に着こなし、気合十分である。包丁を握り締め、まな板に野菜を並べる。 「クックック…では、始めるとするか」 ヴァンプ様の目付きが変わった。お人好しの悪の将軍から、闘う漢(おとこ)の燃える瞳へ。 眠れる獅子が今、目覚めた。 そう、厨房は彼にとって戦場なのだ! その華麗にして優美なる包丁捌きは、ジローと妖夢の剣技にも劣らぬ芸術であったという――― ―――さて、我等がヒーロー・天体戦士サンレッドとその一番弟子(自称)望月コタロウは買い物である。 人間の里。 機械文明の欠片も感じない、昔ながらの不便でありつつ活気に満ちた生活が営まれている事は、道行く人々の表情 から窺い知れた。 そんな中で真っ赤なマスクのヒーローと、天使のような金髪美少年の取り合わせは異様過ぎる。 思いっきり注目を浴びていたが、二人は特に気にしていないようだった。 「ヒーローが異世界に来て、やる事はおつかいって…間違ってるだろ、色々」 レッドさん、マナー違反の歩きタバコしながらいきなり愚痴である。 「しかも、行き先を訊いたら<香霖堂って店なんだけど、行けば分かるわよ。明らかにおかしな店だから>ときたもん だ。いい加減すぎんだろ」 「もう、そんなに暗くなっちゃダメだよ。ほら、見てごらん。空はこんなにいい天気!」 コタロウがビシっと指し示した空は先も言った通り、今にも泣き出しそうな曇天である。 「…じゃ、ないね。レッドさん、この世界を明るく照らしてよ。太陽の戦士でしょ?」 「そういう方面の能力じゃねーんだよ、俺は…世界を照らせとか言ってんじゃねー、吸血鬼なのに」 そう言って、レッドはコタロウの姿を見つめる。 ふわふわの金髪に、海のような青蒼の瞳。 太陽なんてへっちゃら。ニンニクたっぷりのラーメンも大好き。 クリスマスには聖歌も唄う。 「今更だけどお前、ホントにジローとは全然違うのな…」 「そうなんだよねー。兄弟なのに、不思議でしょ?でも、これはね」 「…兄弟だからだろ」 笑顔で何かを言おうとするコタロウに先んじて、レッドは言った。 「ジローは強えけど、太陽だのニンニクだの聖歌だの弱点だらけだ。お前は弱っちいけど、ジローの苦手なモンは 全部へっちゃらだろ?だからよ…」 レッドはタバコの煙を吐き出し、コタロウを見つめた。 「お互いにダメな所を助け合えるようにって…そういう風になったんじゃねえのか?俺はそう思うけどな」 そう答えた。けれどこの兄弟について、結局の所レッドは殆ど分かっていない。 もしかしたら、もっと別の理由――― 目を覆いたくなるほど残酷で悲しく、それでいて涙せずにいられない崇高で優しい秘密があるのかもしれない。 そんな風に思えてならなかった。 「そう。それなんだよ、レッドさん!」 けれどコタロウは、いつになくおセンチなレッドに向けて、いつもの明るい笑顔を向ける。 「兄者もそう言ってたんだよ。二人が助け合えるようにって、ぼくらのお母さんが知恵を絞って考えてくれたんだよ って。だからね」 「ぼくも大きくなったらレッドさんぐらい強くなって、兄者を助けてあげるんだ!」 「そっか」 レッドは素気なく答えて、コタロウの頭をポンと叩いた。 「ジローが言うんなら、そうなんだろな」 「うん!」 「けど、俺ぐらいに強くなるってのは無理だろ。お前、ヘッポコだしよ」 「ええ~~~…そんな事ないよ!誰もが最初は弱いけど、頑張って強くなるんだからね!」 「いーや、お前の弱さは努力で補える範囲を越えてる。どれだけ頑張っても人間じゃハンマ星人にゃ勝てねーのと 同じだっての」 「ひっどーい!レッドさんのバカー!」 「かかか、空き地の野良犬(生後数ヶ月)を倒せるようになってから言いやがれ」 プリプリ怒るコタロウを軽くあしらいつつ、レッドはコタロウと歩幅を合わせて道を往く。 やがて人間の里は遠ざかり、深い森が見えてきた。その入口に建つ一軒屋に、二人は目を奪われた。 「…あれか」 <香霖堂(こうりんどう)>という看板を掲げたその店は、異様の一言だった。 玄関の脇に雑然と並ぶタヌキの置物だのサッカーボールだのバス亭の看板だの、統一性がないにも程がある。 「うっわー、楽しそうな店だね!」 「そうか?ゴチャゴチャしててうっとーしーとは思うけどよ」 「レッドさんったら、そんな事ばっか言って。さあ、レッツ&ゴー!」 「爆走すんじゃねーよ…あ、コケた」 「おや、見ない顔だね?はじめまして。僕は店主の森近霖之助(もりちか・りんのすけ)だ」 店に入るなり出迎えたのは、昔風の衣装を着込んで眼鏡をかけた若い男。 見かけは何処にでもいそうな優男だが、どことなく曲者の風格も漂わせている。 (あんま気が合いそうにはねーなー) そんな失礼な事を考えながら、レッドは幽々子から渡されたメモを霖之助に差し出す。 「これを見せれば分かるって言われたんだけどよ」 「ふむ…ああ、君は西行寺家の使いなのか。とすると、もしや噂の外の世界から来たヒーローかい?」 「あん?何でんな事を知ってんだ」 「これさ」 言うまでもなく文々。新聞である。まだそれに目を通した事のなかったレッドとコタロウは、その内容に驚く。 「こんなんが発行されてたのか…俺達の事までバッチリ書いてるし」 「何処で調べたんだろね」 「清く正しく、射命丸文。神出鬼没の彼女にかかれば、記事にできない事件はないよ…さて、それでは少し待って いてくれ。注文の品を用意するから」 霖之助が店内をガサゴソと探り始める。それを待っている間、レッドはぐるりと店内を見回してみた。 「ふーん…色んなモンがあんだな」 「幻想郷には、様々な世界から色々な物が紛れ込んでくるんだ。僕はそれを拾って、売り物にしている」 「はあー。随分と楽な商売だな」 「ははは。魔理沙の奴にもよく言われるよ」 「でも、何の道具なのかとか全然分からないんじゃない?」 コタロウの疑問に対し、霖之助は「そうでもないよ」と答えた。 「僕にはちょっとした能力があってね…初めて見た道具でも、その名前と用途がすぐに分かるのさ」 「へえー。すごいじゃん!」 「ふふ。そうは言っても、実はそんなにすごくないんだけどね」 例えば、と霖之助は扇風機を示した。 「これは扇風機といって、風を送って涼しくなるための道具だ…ここまでは分かる」 「うん」 「でも何が動力なのか、どうすれば動いてくれるのか…それは分からない。色々試してみるしかないんだ」 「うーん、それは結構不便かも」 「だね。けれど、使い方が分かればしめたものさ。外界の技術の恩恵にあやかることができるからね」 くすり、と霖之助は笑ってみせた。 「実を言うと気に入ったモノは売らずに、自分の持ち物にしている」 「せこくねーか、それ」 「そう言ってくれるなよ。役得さ、これも―――そうそう、最近じゃこんなのも見つけたよ」 霖之助が懐から取り出したのは、くの字型の奇妙な物体―――そう、銃だった。 普通の銃と違いカラフルな色合いで、まるでヒーローが使う兵器のようだ。 「これはね、サン―――」 「サンシュートじゃねーか!」 レッドは霖之助を遮り、その手からサンシュートをひったくる。 「ウチの工具箱にでも入ってるもんだと思ってたのに…」 「はあ…君の持ち物だったのか。気付かない内に幻想入りしてしまったんだね」 世間は狭いもんだ、と霖之助は呟く。 「兵器として使うつもりはないけど、デザインが気に入ったから手元に置いておきたかったんだけどね…所有者が 現れたのなら仕方がない。必要な物なら、返すよ」 「あ?いや、まあ、俺のだけど、別にそこまで必要ってわけじゃ…」 だが、サンシュートは(一応)己の頼れる相棒だ(多分)。 返してくれると言ってるんだから、お言葉に甘えるべきかもしれない。 「…じゃあ、悪いけど持ってくぞ」 「悪い事はないさ。道具が本来あるべき場所に戻っただけだからね…さて」 どうやら注文の品も包み終わったらしい。霖之助は大きな袋をレッドに手渡し、人好きのする笑みを見せた。 「どうかまた、御贔屓に」 紆余曲折を経て、サンレッドの手に戻ったサンシュート。 果たしてその実力が発揮される日は訪れるのだろうか。 それは誰にも分からない――― おまけ 「ゆゆちゃーん。おつかい、終わったよー」 コタロウは、香霖堂で包んでもらった袋を幽々子に渡した。 「ご苦労様。ふんふふふふふーんふふふっふーん♪…ああっ!」 幽々子は、恐るべき過ちに気付き、彼女には珍しく声を荒げた。 「コ…コタロウ!おつりで勝手に金平糖なんて買っちゃダメじゃない!」 「ごめん…どうしても食べたかったから、つい…」 「まあまあ、そう怒ってやるなよ」 「もう…ああっ!」 幽々子は再び声を荒げた。 「サ…サンレッド!勝手にタバコを買っちゃダメじゃない!しかも1カートン!」 「わ…悪い…切れてたもんだから、つい…」
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高齢独身男「35を過ぎた独身は“狂う”ぞ」 ← これwwwwwwwwwww 暇人\(^o^)/速報 - ライブドアブログ
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編號 SC0020S 繪師 NEKO 日名 「霧雨魔法店」 等级 1 中名 「雾雨魔法店」 COST 8 属性 - 稀度 N 凭依 装备人物 耐久 - 时效 - 身代 - 版本 1.0.3.0 出处 第一章·丽雨·行魄·露吹 豪华版(1枚入) 日期 2014.6.22 效果1 【掌柜】 常置 : 每有一枚装备此卡的人物所属SC从手牌进入墓地时,自己获得那张SC等级数值的咒力。 效果2 【甩卖】 主动 雾雨魔理沙装备此卡时,准备阶段,一回合一次: ·可以丢弃1枚手牌,自己获得1咒力; ·若森近霖之助在自己场上,此效果可多次发动。 背景 - 調整 -
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【歩兵格】の駒は前方1マスに進める。成駒は更に斜め方向にも1マス進める。能力はない。 春告精(はるつげせい/リリー) 氷精(ひょうせい/チルノ) 大妖精(だいようせい/大妖精) 陽精(ようせい/サニー・ミルク) 月精(げっせい/ルナ・チャイルド) 星精(しょうせい/スター・サファイア) 狂精(きょうせい/クラウンピース) 揚羽(あげは/エタニティラルバ) 暗闇(くらやみ/ルーミア) 光蟲(ひかりむし/リグル・ナイトバグ) 釣瓶落(つるべおとし/キスメ) 脱兎(だっと/レイセン) 貸本屋(かしほんや/本居小鈴) 求聞持(ぐもんじ/稗田阿求) 易者(えきしゃ/易者) 道具屋(どうぐや/森近霖之助) 大学生(だいがくせい/宇佐見蓮子) 境界視(きょうかいし/マエリベリー・ハーン) 夏氷精(なつひょうせい/日焼けチルノ)
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通過の儀式/Rite of Passage ◆gcfw5mBdTg バトルロワイヤルは、出会い、そして、別れを運んでくる。 魔法の森で発生した決戦も、その類に漏れないものだった。 六名もの人妖が激しくぶつかりあった魔法の森も、数刻の時を経て、残っているのはたったの二人の少女のみ。 魔法使い、霧雨魔理沙。 吸血鬼、フランドール・スカーレット。 魔法の森に残された二人の少女は、その場に留まり、休憩をしていた。 じっとりと湿り気を帯びた巨木の幹に背を預け、隣り合わせに座っている。 戦場とは無縁の自然へと回帰した魔法の森には、もう喧騒はない。 たった二人で先程までの熱気を生み出せる筈も無いのだから、静寂は必然のものだ。 とはいえ、現状は、いささか……静かすぎた。 魔理沙もフランドールも、眠っているわけでもないのに、会話どころか、声をかける様子すら見えない。 金髪の魔法使い、霧雨魔理沙は、なにかに想いを馳せるように、ぼおっと沈黙を決め込んでいる。 両目に包帯を巻いた幼き吸血鬼、フランドール・スカーレットは、なんともいえない不安を表情に滲ませながら、ずっとうつむいている。 二人はずっとこんな調子だった。 既に一時間、いや、休憩の前に行った銃剣の作成の時間も加算すれば、既に二時間近く、魔理沙達はまともな会話を交わしていない。 無理にはしゃぐ必要は無いとはいえ、ただ無言のまま休憩し続けるのは異常と呼ぶに十分なものだった。 魔理沙達に、この地に留まる意味は薄い。 休憩をするにしても、いささか場所が悪い。 決戦の舞台となったこの周辺には、死肉が発する死臭が篭もっている。 血生臭さは気分を害するし、血の匂いに敏感な妖怪が来ないとも限らない。 魔理沙もそれは理解は、している。 だけど魔理沙は、時間の許す限り、この場所に、いたかった。 魔理沙は空虚な想いを抱きながら、周囲を見やる。 すると薄暗く気味の悪い魔法の森の景色に、死臭を放つ異物が、二個、見えた。 木々の新緑と大地の狭間に、一面、紅い絨毯で覆われた死体は、二人の人妖がこの世から消え失せたと証明している。 腹部に刺された痕を残す導師服を纏った美しい女性〝八雲藍〟 死にかけていた魔理沙を助け、支えてくれた。 彼女は忠義に殉じ、主である八雲紫を庇い、逝った。 胸元に痛々しい傷跡を残す、白銀の頭髪の男性〝森近霖之助〟 魔理沙の幼馴染であり、兄のような、育ての親のような存在だった。 彼は魔理沙の友達であるフランドールを庇って逝った。 魔理沙は二人を失ってから、ずっと心に傷跡を残していた。 ちょっと歩けば体に辿り着けるほどに距離は近いのに…………でも、どうやっても届かない。 数時間もすれば、その体すらも首輪の爆破により、消え失せるのだろう。 ――今、ここから離れてしまえば、もう二度と会えない。 もう死んでいるとわかっていても、そう思ってしまったら、魔理沙は離れられなくなった。 銃剣の作成に没頭したのも、今こうして休憩しているのもそのためだ。 何度か、この場から離れようとしたが、全て失敗に終わった 今のままじゃ、駄目だって、わかっている。 気が済めば、時間が経てば、移動するつもりではある けど、それでも……もうすこし、もうすこし、と別れを引き伸ばさずにはいられない。 どのくらいそうしていたか、魔理沙とフランドールは、まだじっと座っている。 静寂の中、唯一音を刻み続ける心音と呼吸音が一際高く音を立てている気さえする。 何度目か既に覚えていない別れの失敗をまた繰り返した時、魔理沙は、ふと、ある言葉が浮かんだ。 そして、気が緩んでいたのか、その言葉を、つい、小さく呟いてしまった。 ――このまま、夜が明けるまでこうしているのも悪くないかもな。 軽率だった、としか言い様が無い。 魔理沙は隣にフランドールがいる事を、忘れていた。 フランドールを考慮に入れずに、不用意な言動を発してしまった。 小さく反響した魔理沙の言葉に、フランドールは表情を曇らせ。 ――……ごめんね。 フランドールは薄く悲しげに笑って謝って、顔を背けた。 ちらりと覗いた、小さな穢れない唇が、小さく震えている。 一瞬、間を置き、魔理沙は状況を理解した。 ……私はなにをやっているんだ、と後悔し、頭を掻き毟る。 フランドールは、目前の死者の一人である森近霖之助に庇われた。 フランドールが頼んだわけでもない。 根本の原因がフランドールにあるわけでもない。 それでも……友達の大切な人が死亡した一因であることには変わりは無い。 魔理沙は、誰かが間違っているわけじゃない、とフランドールに言った。 それでも、簡単に割り切れるようなものであるはずがない。 スターサファイアに庇われた経験のあるフランドールはより一層、ショックが大きいはずだ。 二時間もの間、死臭漂う中にいて、平気でいられるはずが無い。 魔理沙は自分の事だけを考えていて気が回らなかった。 慌てて魔理沙はフランドールをフォローしようとするが。 「……あれは、フランのせいじゃない。 誰が悪いというわけじゃない、って言ったろ」 ……咄嗟には気の聞いた言葉が浮かんでこない。 なにかいい言葉はないだろうか、と模索するも、もどかしさ、やるせなさ、罪悪感で思考が上手く纏まらない。 そうして苦悩している内に、間が空いてしまい、会話を続ける雰囲気が終わってしまった。 沈黙の帳が降りた中、聞こえるのは二人分の喉の音くらいで、後は何も聞こえない。 お互い何も話さない。殆ど視線も合わさない。 それだけなら、さっきまでとなんら変わらない筈なのに、居心地が……非常に悪い。 沈黙はこんなに不安を催すものなんだということを魔理沙は始めて知った。 そんな静寂の中、フランドールが、魔理沙に声をかける。 「……魔理沙、ちょっと眠ってもいいかしら」 フランドールは大きなあくびをして、魔理沙から眼をそむけ、瞳を閉じた。 「……ああ、おやすみ、フラン」 魔理沙にはフランドールが眠いようには、とても見えない。 それどころか、包帯で瞳は隠れているのに、不思議と泣いているように思えた。 ああ、気を使われたんだな、と察した魔理沙は己の心弱さを蔑む笑みを浮かべる。 霊夢を止められず、紫を引き止められず、挙句の果てにフランにまで迷惑をかけてしまった。 ……無様にも程があるな、と魔理沙は静かに溜息を吐く。 どうするべきか……、と必死に考える。 自分への嫌気で頭は、多少冷めた。 今なら、無理をすれば、この場を離れることができるかもしれない。 だけど、それでは問題は解決しないだろう。 この場を離れるだけでは、気まずさは、きっと変わらない。 酷いことをしてしまった、謝らなければならない、と魔理沙は思う。 だが、今の雰囲気で、自分の心情を素直にストレートに言葉で伝えられる自信が、ない。 なにか、いい方法はないか、と魔理沙は考え込んだ。 ◆ ◆ ◆ 苦悩する霧雨魔理沙と時を同じくして、フランドール・スカーレットもまた悩んでいた。 森近霖之助を失った後の魔理沙を、どこかおかしい、とフランドールは思っていた。 八雲紫と別れてからは、おかしさが更に顕著に表れた。 突如、何も言わずに数十分もの間、銃剣の作成に没頭し、完成してからも、ずっと黙り込み動かない。 そんな不自然なことをしていては、視力を失ったフランドールにだって、魔理沙の心情は、嫌でも、伝わる。 フランドールは魔理沙と森近霖之助の死別を鮮明に思い返す。 ……あの時の魔理沙は、年相応の女の子だった。 世界のどこにでもあるような、普通の少女だった。 魔理沙は、彼が死んだことに対して、誰も間違っていないと言っていた。 だけど、理屈では分かっていても大切な人の死は簡単に割り切れるものじゃないのだろう。 他人の感情を計るのが苦手なフランドールでも、ずっと苦しげに沈黙する魔理沙に何も感じないほど、壊れてはいない。 どうしてこうなってしまったのだろう。 スターを失い、命の大切さを知った。 友達である魔理沙を傷つけないよう一人で霊夢に挑んだ。 なのに……奪って、しまった。 魔理沙は生きていたけど、魔理沙の大事な人を奪ってしまった。 魔理沙の魂に皹を入れてしまった。 胸が、ジクジクと痛む。 心というものは甘いものじゃなかった。 こんなにも苦痛を伴うものだった。 誰も間違っていなくても誰かが傷ついてしまう。 これからもずっとそうかもしれない。 今の自分では、だめなんだろうか、とフランドールは思う。 もしも。 もっと幼かった時の『私』なら。 命を軽視し、相手の事を考えない危険な遊びを好んだ『私』なら。 スターとも魔理沙とも出会わなかった『私』なら。 吸血鬼として、悩まず、本能のまま、日陰の下で独りで生きていた『私』なら、何の不安もなく楽に過ごせたのかもしれない。 一瞬、そんな想いがフランドールの脳裏を過ぎった。 ――〝嫌〟だ。 だが――フランドールは強く、即座に、否定した。 それはありえないことだから。 だって今の自分は、スターと魔理沙によって独りじゃないことを知ったのだから。 大事な人が側にいる幸せを知った。 心地よい空間がその人といると作られることを知った。 眼に見えない繋がりを得て、世界が変わった。酷く楽しいものだと思えた。 誰かと繋がる度に、世界が、より鮮明に、明るくなっていくことを知った。 変わらないものはない。 いい意味での、その意味を知った。 後悔するかもしれない。 さらなる苦しみが待っているかもしれない。 それでも――大好きなスターや魔理沙と一緒にいられないなんて、もう、考えられない。 魔理沙やスターと物理的に繋いでいるものは一切ない。 死によって別たれてしまう幻想だと、知っている。 私の心は、まだいろいろ、足りてないのかもしれないけれど……。 だけど、それでも……スターと魔理沙のことが好きで、一緒にいたいと思っている『私』は――ここにいる。 フランドールが得た、小さな答え。 もう二度と、忘れ去られることはないように、強く、自身に刻み込む。 心の迷路から抜け出たフランドールは決心した。 魔理沙に心の内を、全て打ち明けよう、と。 もしかしたら魔理沙は背中を向けてしまうかもしれない………けれど……。 そうやってフランドールが覚悟を決めようとしていると――突然、フランドールの頬に、なにか柔らかい感触が当てられた。 魔理沙の手、ということに気付いた頃には、フランドールの頭は、運ばれていた。 優しく、抗いがたい甘さに抵抗できず、ぽすん、とどこかに降ろされる。 されるがままにして、頭が置かれた場所は、魔理沙の膝の上だった。 フランドールは、魔理沙の膝を枕にし、地面に寝そべっている、俗にいう膝枕の体勢を強制された。 なにがなんだかよくわからない。 けれど不思議と嫌な感じはしなかった。 混乱してじっとしているフランドールの柔らかい金髪に、魔理沙の手が置かれた。 そのまま、柔らかい手の感触に、ゆっくりとフランドールの頭が撫ぜられる。 心地よい、温かさのようなものが、胸の奥に染み渡り、フランドールを静かに優しく包み込んでいく。 ◆ ◆ ◆ 結局、魔理沙が悩み考え抜いた結果は――真似であった。 どうすればフランに自分の心が伝わるか。 どうすればフランの心を落ち着かせられるか。 何度も過去を振り返り、経験を真似することにした。 思い返した記憶は二つ。 幽々子の死後、八雲藍におぶってもらって、いい夢を見れたこと。 森近霖之助の膝の上に座るのが好きだったこと。 それらを、魔理沙が受ける側ではなく魔理沙が与える側としてアレンジした結果がこの膝枕であった。 二人は静かに時間を流し、お互いの事を想い合い、相手の意思を読み取る。 聞こえるのは二人分の喉の音くらいで、後は何も聞こえない。お互い何も話さない。 だけど、先程までとは違い、不思議と、居心地は悪くなかった。 …………。 時間がしばらく経過し、満足したフランドールは、眠る振りをやめ、会話の口火を切った。 「……私の独り言に付き合ってくれるかしら」 フランドールは横になったまま、自身の胸の前に、両手を重ねる。 緊張しているような、決意を秘めたようなそんな様子だった。 「……スターも、香霖って人も、私のせいで死んでしまったの。 ひょっとすると、私はまた魔理沙に迷惑をかけてしまうかもしれないわ。 けれど、私はやっぱり魔理沙とスターと一緒にいたい。 私は、こんな今の〝私〟を良いと思ってるわ。 ……魔理沙は、こんな私と一緒にいてくれる?」 魔理沙を、ただひたすら真っ直ぐ見つめ。 そして、ゆっくりと、静かに、澄んだ声で、己が決意を紡いだ。 「……ん、そーか。 私も前より今のフランのほうがいいと思うぞ。 それと、あいつらが死んだのは誰のせいでもないって言ったろ。 私の軽挙のせいで誤解させたかもしれないが、あれは本心からだ」 魔理沙は一瞬、フランドールを褒めようかと思ったが、思い直して、褒めるのをやめた。 死者への未練を断っていない魔理沙が、今の成長したフランドールを褒めるというのは何かが違うと思ったからだ。 だから、魔理沙はフランドールを褒めるのではなく、認めるに留め、一端、答えを保留した。 「……さっきの膝枕、よけいな御世話だったか?」 魔理沙は怪訝な顔を浮かべる。 魔理沙にはフランドールがいつもより安定しているように見えた。 今のフランドールを見ていると、魔理沙がなにかをしなくても、フランドールは自分で立ち直っていたように、魔理沙には思えた。 「ええ、いきなり体勢を変えられたから全然眠れなかったわ」 フランドールは寝そべったまま、照れたように、楽しそうに、小さく口元を綻ばせ、魔理沙を見上げている。 どうやら冗談で返すほどの余裕まであるようだった。 「ほう、そいつは悪かったな。 じゃあもういらないな?」 フランドールを膝から降ろそうとする魔理沙の意地悪に、フランドールは、急いで首を振って拒否する。 魔理沙はフランドールの不器用さに、くくっと笑みを漏らした。 「……こういうのって与える方の気分はどんな感じなのかしら?」 恥ずかしかったのか、気を取り直すかのように別の話題を振るフランドール。 「ん、こっち側も意外と楽しいもんだった。 あいつらもきっとこんな気分だったのかな」 魔理沙は、霖之助と藍を思い返しながら答えた。 「ふぅん、そーなんだ。 私もお姉様あたりにやってあげようかしら」 幸せそうに寝転んだまま、フランドールは未来に想像を抱く。 「おーおー、やってやれ、やってやれ。 レミリアの奴、きっと泣いて喜ぶぞ」 レミリアが妹の膝の上で大人しくしている姿を想像し、くく、と笑いを殺す魔理沙。 二人はお互いの心のピースを嵌めるように、楽しく話し合い、静かな魔法の森に穏やかな風景を作り出していた。 だが、どうやら魔理沙は、本心から楽しんではいないようだった。 楽しくフランドールと話している魔理沙は、普通に見えて、心の中でずっと何かを悩んでいるようだった。 時間も経ち、会話の種も尽きた頃。 何かを決意した魔理沙は、フランドールをゆっくりと膝から降ろし、立ち上がった。 そして、スキマ袋の中から、一つの道具を取り出した。 魔理沙が休憩の前に作成した『銃剣』。 魔理沙はそれを手に持ち、フランドールへと声をかける。 「この銃剣、やるよ。 無理に使う必要はないけど、これはお前が持ってるべきだと私は思った」 「……よく、意味が分からないんだけど」 視力を一時的に失っているフランドールには銃剣が見えず、魔理沙の意図が掴めない。 「〝妖夢〟の楼観剣と〝香霖〟のショットガン。 この銃剣はそいつらを組み合わせたんだ。今のお前なら大丈夫だろ」 スターサファイアを殺した魂魄妖夢。 フランドールを庇った森近霖之助。 二人を決して忘れるな、お前は生きろ、と魔理沙は言っているのだ。 「――ええ、わかったわ」 フランドールは、堅く唇を引き結び、しっかりと応えた。 今でも他人の事などあまり理解できない。 けれど、これが大事なことなのはわかる。 覚えておかなければならないことぐらいはわかる。 フランドールは心を知り、心を育て、成長しているのだ。 答えを聞いた魔理沙はフランドールのスキマ袋に銃剣をいれる。 「……今度は私の番だな」 フランドールの成長に、自分の胸の内が晴れていくのを感じた魔理沙は、決意する。 フランドールは魔理沙に応えた。 ならば魔理沙もフランドールに、友達として、応えなければならない。 「――最後のお別れを、しにいってくる」 死者への未練を、断たなければならない 魔理沙の決意に、フランドールはこくりと頷き、死者の元へと歩む魔理沙を見送った。 八雲藍。 八雲紫の式である九尾の狐。 真面目で融通が利かなくて計算はできるのに不器用な生き方しかできない少女。 藍の死体の前に立った魔理沙は、諦念の宿った透き通った声で呟く。 「……お前がいたから、私は今、こうしてここにいるんだよな。 つまり、私が異変を解決すれば、お前が解決したも同然なわけだ。 だからな、あっちで、橙に誇ってこいよ」 どんな顔で笑ったのかも、どんな顔で叱ったのかも、覚えている。 魔理沙の顔は悲しそうな懐かしむような顔だった。 「……お前の提唱したリーダーを私がするってやつなんだが、正直、過大評価なんじゃないかとまだ思ってる。 でも、まぁ、お前を信じて、私なりになんとかやってみせてやるよ」 まだまだ言いたい事はある。 一度喋りだせば欲求はだんだんと大きくなっていく。 だけど……魔理沙は、二の句を告げるのを、止めた。 長々と喋っていても、藍は喜ばない。 魔理沙は記憶の中の藍ならば喜ばない。 ――あー、私を偲ぶのはいいからさっさと前へ進め、紫様を頼んだぞ。 きっと藍なら照れくさいような呆れたような顔で、そう言うと思ったから。 「……紫の事は任せとけ。 帽子、借りてくぜ。紫に届けといてやるよ。 ……じゃあな、藍」 魔理沙は、名残惜しげにゆっくりとしゃがみこみ、藍の屍骸の傍らに座する帽子を拾う。 藍の形見、として、紫に届ける為に。 礼も文句もまだ言い足りない。 だが、必死に言葉を飲み込み、もう一人の未練へと、歩む。 森近霖之助。 古道具屋の店主であり、魔理沙の古くからの馴染み。 彼の前に立つ魔理沙の身体は、自身の心を示すかのように震え、乱れて、どこか落ちつかない。 精一杯やせ我慢してるのがよくわかる。 「……昔あげた、あの私の名前つけた古ぼけた刀、どうせ私の形見にでもするつもりだったんだろ? なのに、なんで、私より先に死んでるんだよ。これじゃ順番が逆じゃないか」 いつ出会ったのかは子供の頃すぎてよく覚えていない。 だけど、いつのまにか魔理沙は霖之助に甘えるようになっていった。 子供の頃、大きな手で撫でられた。とても大きくて温かかった。 背中や膝に乗っかったりして遊んだことも一杯ある。魔理沙の身体をすっぽり覆ってしまうほどだった。 いつか、追いつくと思っていた。 けれど、もうその時は永遠に来ない。 「……この、大馬鹿が。 ……ようやく会えたと思ったら、柄じゃないことしやがって。 私と霊夢がスペルカードで遊んでる時はずっと店の中で見てるだけの癖して」 文句ばかり言う魔理沙に、死体である霖之助は当然、何も言わない。 ――僕の言いたいことは死に際に全て言ったからね。 そんな感じの満足した顔をして、何も言わずに、魔理沙をじっと優しく見守っていた。 いつもは語りたがりの癖に、なにも喋らなかった。 「遠慮なんか、しなくてもいいんだがな」 ふと、そんな言葉が口を衝いて出た。 霖之助に一人前と認めてほしかった魔理沙が、長い間ずっと思っていて、結局果たされなかった言葉だった。 もしかしたら、もっと深い付き合いも出来たかも知れない、ふとそう思う。 けれど、もしかしたら、なんて仮定は、もうできない。 知ってしまうと、もっと早く気付けばよかった、と思ってしまった。 「あーあ、くそ。香霖のばーか。 なんか悔しいから眼鏡、貰ってってやる。 後で親父に、届けてやるからな。ちくしょう」 魔理沙は、自分の胸の中で騒ぐ思慕や複雑な感情を抑えるように、罵声で誤魔化す。 今すぐこの場から立ち去って、気を紛らわせないと気が狂ってしまいそうだった。 「……いつも子供扱いしやがって。 お前の年齢超えるまでは、そっちに、いってやらないからな、香霖」 自らの不老不死を自覚しても、それしか言えなかった。さよならなんて言えなかった。 軋む胸元をぎゅっと掴み、痛みに堪えながら、魔理沙は霖之助に背を向ける。 お別れは終わった。 魔理沙は皺の寄ったスカートの裾を一払いして、フランドールの方へ歩もうとする。 だが振り返りたい意思が、魔理沙の心を強く苛む。 異常なほどの焦燥感と恐怖が、後ろ髪を惹く。 だが魔理沙は屈せず、自分に言い聞かせる。 甘えるな、甘えちゃだめだ。 そうでなきゃ、あいつらは安心できない。 これからも迷うかもしれない、苦しむかもしれない。 それでも、覚悟を決めろ。 これからやらなくちゃいけないことは、今ここに身体がある霧雨魔理沙にしかできないことなんだから……! もう、私は、一人立ちしなきゃ……いけないんだ! 涙が、一筋流れた。 「……悪い、待たせたな、フラン」 こうして、未練を振り切った魔理沙は一度も振り返らずにフランの元へと帰った。 目を瞑っても、目を抑えても、頬を伝い零れ落ちる涙は止まらない 魔理沙は、フランドールの眼が一時的に見えない事を不謹慎とは思いながら、ありがたいと思った。 もう大丈夫だ、とフランドールに伝える為に、目を閉じ呼吸を整える。 「……なぁ、フラン。 さっきの私、返事のようで完全な返事になってなかっただろう? だから、今、答えていいか?」 どこか、すっきりしたような顔で、魔理沙は堂々とフランドールに向き合う。 「……うん、いいよ」 フランドールはちょっと不安を見せるが、すぐ気を取り直し、魔理沙を見守る。 「ん、ありがとな。 じゃあ私の独り言を聞いてくれ。 ……私は正直言って心の整理なんてそんなについてないんだ。 霊夢や紫や私やフランに色々複雑でいやーな感情をぶつけたいという気持ちもないとは言えない」 負の感情は、雪のように解けて消えたりしない。 汚れ、紛れ、色彩を失っても、必ず残るものだ。 「……まぁ、それでもだ。 別にそのままでもいいんじゃないかな、と私は思ってる。 人生色々あるし嫌な事も一杯あったけど……。 そういったこと全部ひっくるめても、私が皆が好きなことにはなんら変わらないんだ。それでいいんだと私は思う」 そんな甘い幻想では、この世界は成立しない事はよく知っている。 魔理沙自身も、まだ全てを割り切れているわけではない。 宿したそれは、いつか消えてしまう儚い幻想なのかもしれない。 それでも、魔理沙は、殺戮劇の参加者ではなく、幻想郷の住人として最期まで異変に立ち向かいたいと想っていた。 「あー、なに言ってるのか自分でもよくわからなくなってきた。 まぁ、なにがいいたいのかというとだな。 そんな結構適当な私なんかでいいんなら――」 魔理沙は、後頭部を掻きながら、どう言い出そうかしばらく悩み。 やがてどう言い出すのかを決めたのか、自信のある、爽やかで愛らしい笑顔を浮かべ、フランドールへ誓いの言葉を送った。 「――〝今後ともよろしく〟ってわけだ」 魔理沙は手を差し出し、友達に、握手を、求める。 フランドールはこくり、と頷いた。 「ええ、こちらこそ――〝今後ともよろしく〟」 眼は見えないフランドールは、スターサファイアの能力に導かれ、魔理沙の握手に応える。 自分の偽らざる感謝の気持ちが伝えた二人は、笑顔だった。 とても綺麗な、不純物等一切ない、白一色の笑顔だった。 これから二人は色んな体験をして、考えも変わっていくのだろう。 しかし、この言霊は魂に刻まれ、消えることはないだろう。 ◆ ◆ ◆ あれから移動した魔理沙達は、かねてからの予定通り、八意永琳との約束の場所へ辿り着いた。 「……私達が遅すぎたのか、永琳が来なかったのか、どっちだろうな」 辺りを探索するが……八意永琳はもとより、人の気配、なんらかの痕跡も見つからない。 永琳からの情報が得られないのは惜しいが、こちらも輝夜の情報を与えられるわけではない。 気持ちを切り替えた魔理沙は地図を広げ、これからの行動を決めようとする。 別れを経て、休む間もなく、また、新たなる戦いが始まる。 魔理沙達を物語の結末へと導いていく。それが魔理沙とフランドールの望むものでないとしても。 【G-5 魔法の森 一日目・夕方】 【霧雨魔理沙】 [状態]蓬莱人、帽子無し [装備]ミニ八卦炉、ダーツ(3本) [道具]支給品一式、ダーツボード、文々。新聞、輝夜宛の濡れた手紙(内容は御自由に) mp3プレイヤー、紫の調合材料表、八雲藍の帽子、森近霖之助の眼鏡 [思考・状況]基本方針:日常を取り返す 1.霊夢、輝夜、幽々子を止める。 2.仲間探しのために人間の里へ向かう。 ※主催者が永琳でない可能性がそれなりに高いと思っています。 【フランドール・スカーレット】 [状態]右掌の裂傷、視力喪失(回復中)、魔力大分消耗、スターサファイアの能力取得 [装備]無し [道具]支給品一式 機動隊の盾、レミリアの日傘、楼観剣(刀身半分)付きSPAS12銃剣 装弾数(8/8) バードショット(7発)、バックショット(8発) [思考・状況]基本方針:まともになってみる。このゲームを破壊する。 1.スターと魔理沙と共にありたい。 2.庇われたくない。 3.反逆する事を決意。レミリアが少し心配。 4.永琳に多少の違和感。 ※3に準拠する範囲で、永琳が死ねば他の参加者も死ぬということは信じてます ※視力喪失は徐々に回復します。スターサファイアの能力の程度は後に任せます。 135 吸血鬼の朝が来た、絶望の夜だ /紅魔の夜の元、輝く緑 時系列順 138 Who s lost mind? 136 リリカSOS 投下順 138 Who s lost mind? 126 黒い羊は何を見るのか 霧雨魔理沙 148 乾いた叫び 126 黒い羊は何を見るのか フランドール・スカーレット 148 乾いた叫び
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目次 目次 使用モンスター パーティデータ共闘:vsフォルテ戦 大覇星祭戦 共闘:vsシャガルマガラ戦 攻撃に特化したパーティを持つ。テンションを上昇および消費する能力が多いのも特徴。 使用モンスター 現在の仲間モンスター 名前 種族 性別 備考 リュウ 隆+1 ♂ 前列にしか攻撃できないが、高火力のメインアタッカー 遊戯 星熊勇儀 ♀ サノの子供。特性を無効化する技あり。地味に必中手段も持つ 香霖 森近霖之助 ♂ レックスの子供。こう見えて筋肉の鎧持ち。火力はほどほどのデバフアタッカーか あんこ 枢斬暗屯子 ♀ カイリキーの子供。爆裂パンチなどを受け継ぎ、[突破]付きの必殺を持つ 過去に確認したモンスター 名前 種族 性別 説明 サノ 相楽左之助 ♂ デバフ・妨害できるアタッカー レックス アレックス・ルイ・アームストロング ♂ 筋肉の鎧と仁王立ちを持つ盾役 リキ カイリキー ♂ 場の全ての攻撃を「必中」にするノーガードを持つ パーティデータ 共闘:vsフォルテ戦 大覇星祭戦 共闘:vsシャガルマガラ戦
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皆さんは、『遺産中毒の人』をご存じだろうか? シヴィライゼーションのプレイ動画と言えば当然のようにスパ帝が有名だが、 それ以外のプレイヤー達も切磋琢磨してネタを披露している。 その中でも個人的にお気に入りなのが、先に上げた『遺産中毒の人』だ。 OCCにおいて、全ての遺産とプロジェクトを一人占めした上で宇宙に行くと言う、 文字通り遺産中毒なプレイ動画だ。 OCCなのに「外交とは、投げ捨てるもの(誇張表現あり)」と言い切るスタイルもまた素敵だ。 省みて。 お気に入りなら、叙事詩MODでも同じ事をすればいいじゃない! と思い立ったのが今回のプレイレポです。 本家には無い、パターン化で解禁される世界遺産「リプレイ博物館」があるため、 また少し違った計画が必要だ。 アポロで鋳金ジャンプしただけじゃ、安心できないよ! ……と言う寸法だ。 初めてのプレイレポになりますが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。 指導者は、白玉楼文明の西行寺幽々子お嬢様。 指導者制限を外して、氷精連合を使ってのプレイになります。 「あら、私なの? 博麗神社の彼じゃなくて? 哲学志向は持って無いけど、平気?」 ご謙遜を。 今回のプレイに関しては、幽々子様が最適なのです。 では、今回のレギュレーションを発表させていただきます。 レギュレーション 勝利条件は全てオン。 いずれかの勝利条件を満たす前に、全ての遺産・国家プロジェクトの生産を終える。 ヴェルサイユ宮殿は建造不可能なので不問。 各種企業本社、聖廟も不問。 ついでに宇宙船も不問。ただし、アポロ計画は縛りの一つなので注意。 いずれかの遺産を他国に取れらた場合、新しいシド星でやり直し。 AD4000の過去のデータに戻り、新しい土地を手に入れるまでリロードし続ける仕事を始める。 これは指導者の再セッティングが面倒くさいための処置で、他意は無いです。 リロードは5回くらいまで許可。 節度を持って。 WBは禁止。クリア後の写真撮影のみ許可。 「随分とゆるゆるなのね?」 ピラミッドや空中庭園と言った遺産を独占するため、生まれ難くはあるのですが…… AIが大技術者の生産に成功した瞬間詰む事が多々あるので、 それに対するカウンターとしての処置です。 大技術者が他国で生まれた瞬間セーブして、 立った遺産を確認してからリロードして1ターン前に戻り、 こちらの技術者で先に立ててしまうのです。 こうもしないと、完全な運ゲーですので…… 「再現性を少しでも出したいって事かしら?」 そう言う事です。 実際、このルールによって事無きを得た場面がありました。 狙った偉人が出る事は100%あり得ない超ごった煮状態の偉人プールなので、 そもそも技術者が出ない事もザラなのですけどね。 ゼウス像を取ったら、ジェダコン・パヤオを取られたりもします。 このプレイレポを書く前に、そんな理由でやり直した回数は10を軽く超えます。 もちろん、滅んだのを別にしてです。 「……滅んだの?」 滅びました。 不栄誉の殿堂が5個くらい増えました。 ……説明を続けます。 東方叙事詩・人柱MOD導入済み。CGEは未導入。 標準パンゲア、速度は普通。 難易度は皇子。 指導者制限解除、ライバル文明は手動で選択。 文明数は8。氷精連合はプレイヤーの担当なので、白玉楼は別個に用意。 破壊的な蛮族 攻撃的AI OCC 戦争 以上です。 「8分明なのは、全部の文明が出るようにの配慮…… ちょっと待って、変なのが見えるわよ!?」 では、文明と指導者の紹介に参りましょう。 手動なので、隠す意味はありません! 「ね、ねぇ! ちょっとってば!」 人里文明担当、上白沢慧音! 哲学志向と疑似的な勤労志向を持つ、強指導者。 しかし本人は切れっ早く、先進的な技術で大挙してやってくる強敵だ。 しかし、今回は切れっ早さ何てものは一切関係ない。 何故なら、先に宣戦布告するのはこっちだからだ! 技術担当のキーパーソン。 紅魔館文明担当、パチュリー・ノーリッジ! 皆さんご存じのむきゅー。 呪文・哲学と言うAIにとっては超内政向けの志向を持ち、中の人も優秀。 普通にプレイしていて一番手ごわいのは、多分この人だ! 永遠亭文明担当、八意永琳! ( ゚∀゚)o彡゜えーりん!えーりん! カリスマ・哲学と自重しない志向の持ち主。 戦争も内政もバッチリ決めて来る強敵だ。 『哲学ジャンプ+技術者=神速のアンコールワット』のコンボはホント勘弁して下さい。 地霊殿文明担当、古明地さとり! 防衛志向は絶望志向だとは誰が言った! ボスユニットに教練が付くようになって、普通に強いし怖い! ……どう言う事なの? この大陸唯一の金融志向は、果たしてどこまで伸びるのか。 博麗神社文明担当、森近霖之助! こっちが使わないなら、あっちに出してしまえ! 主役の霊夢を差し置いての登板だが、遺産を立てられない彼は一体どうなるのか? プレイ中、香霖堂や人形の家が立つ時代が異常に速くてビビったのは、面目躍如と言った辺りか。 wiki曰く霖之助派とこーりん(褌)派が競っているらしいが、作者は霖之助派。 妖怪の山文明担当、八坂神奈子! 風神録と言えば、やはりこの人。 宗教に特化した研究をするため、他の人とは違った注意が必要だ。 特にアポロを持っていかれる率が高いような気がする。 志向だけ見るとブレヌス(笑)なのは秘密だ。 叙事詩だから強いけど、本家では……。 軍事担当のキーパーソン。 白玉楼文明担当、八雲紫! 皆さんご存じ少女臭。 妖々夢から東方に入った身としては、思い入れもひとしお。 しかし悲しいかな、イージーシューターは彼女に会ったことが無い。 今回は親友とのガチバトル。 ゲーム後に後を引かなければ良いが。 氷精連合担当、西行寺幽々子! プレイヤー担当の、世界の敵となる文明。 勤労志向があるため遺産建造に向き、カリスマ志向のお陰で昇進が多く、 多対一の戦に向く。 ボスユニットの強さに定評のある(と思っている)氷精連合と組んで、 無事に世界一の都を作り上げる事が出来るのか。 ……と、各文明の顔になるような指導者を揃えてみました。 自然と哲学が多くなってしまったのですが、仕様と言う事で。 「いえ、それはいいのだけど……」 本当は紅魔館文明はレミリアお嬢様、永遠亭は輝夜にしようかと思っていたのですが、 何故か二人ともAIが弱い気がするので止めました。 特にれみりゃは、何故あそこまで弱いのか……。 「うん、それもいいわ。 で、申し開きを聞きましょうか?」 だって、普通のOCC遺産独占ではつまらないじゃないですか。 「それは、ネタ的に?」 ネタ的にです。 だって、妖怪の山・ケロちゃん・にとり・土地を見て早苗さんか衣玖さん、 そして指導者は霖之助・慧音の二強どちらかで決まりではないですか。 普通のプレイレポは他の方が沢山上げてくれていますので、 そちらに任せたいと思います。 それでは皆さん、よろしくお願いします! 「よろしくねー」 「私は今回出番が無いから、軍事をやるわ~」 「じゃあ、都市管理とインフラをやるのかー。 出撃予定だから、途中までね。」 「その時は私が引き継ぐからね。 それはさておき、文化担当は貰うわよ~♪」 「さいきょーのあたいは、外交とちょーほーをやるわ!」 「ああ、不安だわ……」 第一話に続く 要望・感想等ありましたらよろしくお願いします。 名前 コメント
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23 :種族:名無し 多様性:高:2008/05/09(金) 00 28 12 ID tKTgddQw0 今日は神社で宴会です ゆうかりんがふわふわと傘をさしながら飛んできました。 飛行速度が遅いせいか、先に集まった連中は早くも酒瓶をあけて さわぎはじめている様子。 ゆうかりんは境内に着地すると縁側に向かって歩き出しました。 その手にはお土産の林檎酒。自分の植えた木から取れた林檎を使いました。 自然とゆうかりんの顔がほころびます。 「こんにちは。私も上がるわよ、霊夢」 ゆうかりんは境内に仰向けに倒れていました。 その服はずぶ濡れ。液体からは刺激臭がしてゆうかりんの鼻腔を傷めました。 あれ?なんで私倒れてんの? ゆうかりんは思考を整理します。確か縁側にあがろうとしたところで― ―ああそうだ、すごい水圧でこの液体が私にかかってきたんだ。前から。 上半身を起こして何が起こったのか確かめようとするゆうかりん。 しかしそこにあったのは、縁側に通じる障子からこちらを眺めている 数人の宴会参加者と、バケツを持った霊夢、そして何事もなかったかの ように騒いでいる声。 「れ、霊夢?いったい何??」 霊夢が怒っていることはゆうかりんにはよく見て取れました。 なにしろこの睨み方は尋常ではない。 霊夢はゆうかりんの隣まで歩み寄ると言いました。 「幽香。あなた、こないだの宴会で害虫持ち込んだでしょ」 「え・・・?」 「アブラムシよ。植物につくアレ。食べ物持ち帰ったやつらが一杯 沸いてたって私に文句言ってきたの。でも神社にそんな虫は居ないわよね」 ゆうかりんは理解しました。自分がかけられたのは農薬。それもとびきり 凶悪なやつだと。 「あ・・・あの、霊夢・・・」 「解ってるのよ、貴方しか居ないじゃない。苛めるの好きだものね貴方。 こういうイタズラも好きなんでしょう?でも私にも色々あるの。 宴会の会場を貸してる以上責任だってあるの。それを、貴方は」 霊夢が今度は土嚢のような袋を持ち上げてゆうかりんにふりあげます。 たまらずゆうかりんは腕で顔をガード、しかし思っていた衝撃は来ず、 かわりに白い粉がざばざばもくもくとゆうかりんにかけられていきました。 「げほっ、がはッ・・・な、何よ、今度は!」 「DDTよ。幻想入りしたって霖之助が一杯くれたわ。強力な殺虫剤ね」 「ひ・・・ひ、酷いわ霊夢!私がやったって証拠でもあるの!?」 「こないだリグルは来てない」 霊夢はゆうかりんの胸倉を掴んで頬をはたきました。 「貴方お花畑でずっと寝てるからお風呂入ってないんでしょ。そんな身体で 宴会に来ないで。イヤなら今からお風呂入ってきて。おわり」 言うや霊夢は縁側の桶の水で手を洗って宴会に戻っていきました。 障子が閉まり、宴の声は一段と大きくなり、残されたゆうかりんだけが いつまでもしゃくりあげながらめそめそと泣いています。 傍らには林檎酒の瓶が割れて転がっていましたとさ。 24 :種族:名無し 多様性:高:2008/05/09(金) 00 31 06 ID tKTgddQw0 23訂正 霊夢は霖之助を呼び捨てにしない。 お詫び申し上げる
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